ハイテク銘柄は他の銘柄に比べ情報漏洩による株価下落のリスクを抱えているのか。先日もFacebook の個人情報の不正流用事件をめぐり、米連邦取引委員会(FTC)が同社に50億ドルの制裁金を科す方針を示していました。
一見ハイテク銘柄は多くの情報資産を扱うため、他と比べセキュリティリスクが高いという見方ができます。しかし、それは偏り過ぎた見方です。現在の会社の在り方を考えるなぜ偏っているのかわかってきます。
今回はFacebook の制裁金や個人情報保護を重視する米国の姿勢を交えて、ハイテク銘柄が果たして他の銘柄よりもセキュリティリスクを抱える選択なのかについて考えていきます。
リスクに大きな差は無い
結論から言えばハイテク銘柄だからと言って他の銘柄よりも多くのセキュリティリスクを抱えているかというとそんなことはありません。
一昔の時代であれば、パソコンを使う使わないと言った情報の取り扱い方法に差がありましたが、今の時代、パソコンやネットワークを利用した情報管理をしていない企業は無いでしょう。
そのことを踏まえるとセキュリティ事故が起きやすいこととハイテク銘柄であることはあまり関係ありません。どんな企業でも意識の低い社員がLINE をする感覚で宛先をきちんと確認せずにメールを送付すれば、セキュリティ事故なんて簡単に起きてしまいます。
別の観点から見るのであれば、ハイテク銘柄が取り扱っている情報資産が多いためセキュリティ事故が起きる可能性が高いという見方もできます。が、そのことはハイテク企業自身も理解しており、その分機密情報の取り扱いについてノウハウを蓄えています。
多くの大手IT 企業は年に数回セキュリティ事故の共有会や勉強会を開き、社員のセキュリティ意識を高めることでセキュリティ事故が発生する可能性軽減させようと努めています。
つまり、セキュリティ事故が発生するリスクに大きな差は無く、考え方によってはむしろハイテク企業の方が社員一人一人のセキュリティ意識は高いとも言えるでしょう。続いて、Facebook の情報漏洩の件についても見ていきます。
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Facebook の情報漏洩
その後、スタンフォード大学や、コロンビア大学の学生から同じようなサイトがほしいとの要望に応え、徐々に全米の学生に開放され、2006年には有効なメールアドレスであれば誰でも利用できるようになりました。
TwitterなどのSNS との違いは登録に本名や職業など実社会の情報が必要なことです。SNS なので、もちろんウソの情報を書いている人もいるでしょうが、Facebook の最大の特徴と言える部分です。世界最大のSNS だけあって利用者数は約23億人とTwitterの3億人の約8倍です。
そんなFacebook はGAFA の四天王の一社ですが、個人情報の不正流用事件を巡り世界のIT 化に伴い最も重要であるデータを独占しているのではないかと冷たい視線が注がれました。これに対し、FTC はFacebook に50億ドルの制裁金を科す方針を示しました。
この制裁金の規模は、FTC によるプライバシー関連で過去最高となっており、欧州に続き、米当局も個人情報保護やデータ管理の徹底で巨大IT 企業への攻勢を強めています。Facebook はたびたびセキュリティやプライバシー問題を起こしています。
Facebook は過去に何度もセキュリティ事故を発生させており、2018年3月には約8700万人の個人情報が流出、2019年3月には1月の調査で利用者数億人分のパスワードが暗号化されずに社内保存されていたと発表しました。2019年4月にも16年5月から150万人分の連絡先、メールパスワードを収集していたことがありました。
ハイテク企業への不信感
人と人のつながりで社会を良くするというメッセージの裏側で、汚いつながりを許してしまいました。個人情報保護の企業責任が足りなかったのかもしれません。
FTC はこうした問題のほかにGAFA に対し反トラスト法(独占禁止法)の違反がないかも調査し始めています。Facebook は2020年にデジタル通貨の「リプラ」を使った金融サービスを開始予定ですが、過去の個人情報保護の過失により議会は不信感を表しています。
とはいえ、社是である「素早く動いて、物事を壊せ」にたがわぬようあらかじめ制裁金が50億ドルになるという前提で一部の引当金を計上していたのはさすがの対応だったと言えるのでしょうか。
Facebook のようにセキュリティ事故が続けて発生するとなると、ハイテク企業全体の評価が下がることになるため、早急に対策と信頼を取り戻してほしいと思っています。
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