インベスターHこと、ひーちゃん(@us_investor_h)です。
食のイノベーションといえば缶詰で始まり冷凍食品のゴールしたと思われてきました。そして、登場当時から比べると種類も美味しさも満足できるものになりました。
そんな食のイノベーションが再度起きようとしています。それがミートレス食品。ミートレス食品とは文字通り、肉を一切使用しない人工肉のことです。
正確に言えば、肉を使わない肉は新しいジャンルではありませんが、「ミートレス革命」が再来していることは間違えありません。
食のイノベーション
缶詰の始まりは1804年ナポレオンの遠征時に食料補給の問題から二コラ・アペールさんにより長期保存可能な瓶詰が発明されています。
しかし、ガラス瓶は重く、破損しやすいため1810年イギリスのピーター・デュランドさんが金属容器に入れる缶詰を発明しました。冷凍食品は1900年ごろアメリカにおいて日持ちしないジャム加工用のイチゴを輸送するために冷凍したのが興りとされています。
そして、冒頭のミートレス食品は新たな分野ではありません。これらの歴史にはそれぞれ欠点があったのです。
缶詰でいえば当時は殺菌方法に問題があり中身が発行して爆発することや食中毒で死亡する事故もありました。冷凍食品は冷凍庫が普及してからも、果物を冷凍するもので冷凍食品は未来の食品としてもてはやされました。
ミートレスといえば単純にまずくて高いという状態でした。しかし、現在も市場があるように技術は進化し、冷凍庫は一家に一台は当たり前で保存も味も満足できるものになりました。
そして現在、健康やダイエット、環境保全の観点からミートレス食品が人気を集めるようになってきました。特にその中心にいるとされているのがインポッシブル・フーズ社です。
インポッシブル・フーズ
インポッシブル・フーズ社(以下フーズ社)は2011年にアメリカで設立され、カリフォルニア州レッドウッドシティに本部を置く食品会社です。
フーズ社は最近でも3億ドルの追加資金を調達することに成功しており、ビル・ゲイツ、Jay-Z 、セレナ・ウィリアムズ、ケイティ・ペリーなど、名だたるセレブが投資していることでも知られています。
さらに、バーガーキングがフーズ社のミートレスパテを使ったインポッシブル・バーガーを全米展開することを発表しており話題になっています。
フーズ社のミートレス食品すなわち人工肉は非常に良くできており、本物の肉の味をリアルに再現しています。
したたる肉汁はもちろんのこと、生肉のように赤身を焼くと茶色に変わる状態まで再現しています。
また、調理の際には本物の肉を焼くような香りまでします。こうした、ミートレス食品が成功した背景には2つの特徴があります。
特徴その1
1つ目の特徴は「ベジタリアンをターゲットにしていないこと」です。一般的にミートレスであればベジバーガーなど表記されベジタリアン向けとして提供されてきました。
しかし、フーズ社のインポッシブル・バーガーは全く違ったコンセプトで作られています。それは肉の味をリアルに再現し、普段から肉を好んで食べている消費者をターゲットにしているのです。
ベジタリアンというニッチな市場ではなく、大胆に2,000億ドル規模の"食肉市場"に狙いを定めています。この戦略は的を得ており実際、1970年から米国の国民1人当たりの肉の消費量は変わっていませんが、その内訳はビーフからチキンに変わっています。
これは、健康志向は高まっているが肉を食べないという選択肢がないことを意味しており、チキンよりビーフが健康的でさえあれば、簡単にそちらに手を伸ばすということになります。そこを狙ったフーズ社が妥協せずに、リアルな肉の味を追求したことによって、評判になり多くの支持を集めることになったのです。
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特徴その2
2つ目の特徴は「販路開拓」です。フーズ社はインポッシブル・バーガーを有名なシェフと協力して開発し、レストランで提供することで知名度を上げることに成功しました。
その評判により別のレストランでも提供され徐々に販路が増え、日本に上陸したUmami Burger でも提供されるようになりました。(インポッシブル・バーガーはまだ日本上陸していないが時間の問題である)
実はインポッシブル・バーガーは通常のビーフを使ったハンバーガーより値段が高いのです。にも関わらず同チェーン店の売り上げの3分の1を占めています。
こうして知名度が上がっていき3年ほどで全米各地のレストランで提供されるまでに拡大し、さらには国外にも広がっています。タコスや餃子などにも使われており、無限の可能性を秘めていると言っても過言ではありません。
残る課題も
そんなフーズ社ですが、まだ残っている課題もあります。それは、製造工場が1つしかないことです。そんな中、スーパーマーケットでの販売も視野に入れています。
また、全米7,000店舗あるバーガーキング、新商品のミートレスソーセージを使ったピザ、メキシコ料理店への提供など引く手数多で需要に追い付かない可能性もあります。
オハイオ州に新たな製造工場を建設する計画があるようですが、増え続ける需要を担うには時間との勝負になりそうです。
とはいえ、健康意識の高まりから様々な人に期待されており、その快進撃が日本でも話題になる日は近いかもしれません。
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