インベスターHこと、ひーちゃん(@us_investor_h)です。
時代の移り変わりは時として美しく楽しく、そして残酷でもあります。昔の温泉街は今や経済力のある旅館だけが残り昔ながらの旅館は、廃墟として建ち並びその光景はパンドラの箱のわずかな希望のようです。
ドワンゴのゲームアプリ「テクテクテクテク」が突然の終わりを告げました。ゲームの評判は良く、質の良いゲームだったとしてもアプリが終了するということはあります。
残念なことにゲームの終了と良いゲームであることは無関係なのです。そんなゲームの一例ともいえる「テクテクテクテク」についてと、ゲームのビジネスモデルなどを見ていきましょう。
「テクテクテクテク」というゲーム
テクテクテクテクは、位置ゲームの王者「ポケモンGO」と同じく位置情報機能を活用しAR として実際に移動して楽しむゲームです。
実際の街を意識しており日本の市区町村ごとに区切られています。やりこみ要素も多く、街を塗り潰して行くことでポイントを稼ぎ、さらに敵と戦ってレベルアップもしていくRPG のような仕様です。
VTuber 界のドン、親分ことキズナアイや、エヴァンゲリオン等の様々な有名キャラクターとコラボをすることもあり、非常にユーザー評価は好評だったと言えます。
テクテクテクテクを開発したドワンゴは当初の予定ではゲーム事業だけでも売上高50億円、営業利益25億円を見込んでいましたが、実際は売上高900万円、営業損益が8億6000万円と大赤字でした。
そのためアプリは終了となってしまったのです。非常にユーザー評価も高く、”一生歩けるRPG”として注目を集めていたもののユーザー拡大に向け多額のプロモーション費用を使い果たしてしまいました。
運営会社の期待が高過ぎたというのも、アプリ終了の一つの原因だったのかもしれません。
Sponsored Link
企業の目的とは?
企業がゲームを作成し、売るということは企業の目的としては常に「利益」だと思いがちだと思います。
しかし、かの有名な未来学者と呼ばれ、現代経営学・マネジメントの発明者であるピーター・ドラッカーさん曰く「利益」は間違いではないが的外れだとしています。
また、ハーバード大学名誉教授のセオドア・レビット博士も企業の利益は人間でいう食べ物だと言っています。
つまり、利益が目的ということは人生の目的が食べることと同じくらい愚かなことだということを指しています。
そして、両者は企業の目的は「顧客の創造・維持」と答えています。
経営とは単に数字ではなく人と人の関わりであり、その活動の結果が利益として現れるのです。ではテクテク…は顧客の創造が出来ていなかったのでしょうか。
ゲームのビジネスモデル
話がそれてしまったので戻します。従来のゲームはハードとソフトを買い揃えなければ遊ぶことはできませんでした。そのため、ゲームを遊んで貰えればイコールで収益となっていました。
ところが、2007年ごろにGREE などの携帯で簡単に遊べるアプリゲームの登場と、スマホの爆発的普及によりゲーム業界の主流は一気にアプリとなり、その勢いはハードの売り上げを衰退させるほどとなりました。
そして、遊んで貰えれば収益となっていたゲームはアプリになったことで、ビジネスモデルも移り変わり、基本的にアプリ自体を遊ぶのにお金はかからなくなりました。
アプリで収益をあげるには、ゲームを有利に進めるためのアイテムやその所持数増加、スタミナ回復、強力なキャラを手に入れるガチャなどの課金をして貰う必要があります。
しかし、ネットでは無課金こそが誇りだとどや顔をしている人も多く、課金してもらうには工夫が必要です。 今は無きテクテクテクテクの場合では、課金要素はアイテムや武器の購入、アイテムの所持数増加、宝箱を開くことができる枠の数の3つでした。
敵に勝つとHP は満タンに回復することや、ショップでしか買えない魅力的なアイテムが少ないなど課金を躊躇う要素も多かったのです。逆に言えば、ユーザー目線では課金をしなくても非常に楽しむことが出来たのです。
ゲームの主流が「アプリ」になったことで、顧客の創造は以前より簡単になったかもしれませんが、基本プレイが無料のアプリでは顧客の維持が難しくなりました。さらに、課金をしてもらえなければ収益は上がらず、運営の創造と維持もできません。
テクテクテクテクのプロデューサーであった中村光一さんは「いつか復活できるよう頑張る」と語っており、その闘志は燃え尽きていません。非常に質の良かったテクテクテクテクには復活を果たしてもらい、いつしか王者「ポケモンGO 」と死闘を繰り広げる日を期待したいと思います。
↑ ぜひ宜しければ米株村での応援をお願いします☆
Sponsored Link
コメント