Huawei 外しが加速しています。記憶に新しいHuawei のスパイ疑惑に最高財務責任者の逮捕や、スパイ容疑でポーランド当局に逮捕された社員の解雇など。
これらを巡って各国の通信事業者のHuawei 外しが加速するかもしれません。
Huawei がどんな企業で、どんな問題があるのか、また各国の考えも見ていきましょう。

Huawei という企業
Huawei (ファーウェイ)は中国の世界最大級の通信機器メーカーであり、韓国のSamsung 電子に次いで世界で2番目に大きい携帯電話メーカーです。日本国内のシェアも5位と対外的には非常に優秀な企業です。他の中国テクノロジー大手と異なり、主要市場は中国国外の欧州やアジア、アフリカなどです。
Huawei は1990年代に海外市場進出し、競合他社を大きく凌ぐ低価格設定で有名になりました。
中国が通信網の近代化に多額の予算をつぎ込み多くの機材を輸入に頼っていた時期でも、数少ない電気通信機器サプライヤーのパイオニアとして活躍したのです。
また、開発にも力を入れており、今では通信ネットワーク技術やスマートフォン分野で世界の最先端とみなされるようになっています。さらに半導体技術やAI(人工知能)、クラウド分野にも進出を始めており期待が高まっています。
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Huawei が問題視される理由
Huawei が問題視されているのは、その製造している製品に「セキュリティー」上の致命的な欠陥があるためです。Huawei は中国政府と親密に繋がっており、その製品にはスパイが利用することができる裏口、バックドア機能が埋め込まれている可能性が浮上しています。
証拠は公表されておらず、Huawei もその疑惑を否定しますが、実はこれまでに何度か深刻な問題が見つかっています。

その一つに通信機器に仕様書にないポート(通信の出入り口)が見つかった例があります。これを悪用することで、インターネット環境から外部と通信することが可能なため、不正にデータを盗み出すことができるようになっていたのです。
では具体的に想像してみましょう。例えば、企業を拠点に設置するネット接続用の機器(ルーター)は、設定次第で社内ネットワークに流れる全てのデータを取得することができます。
ではその製品がHuawei 製品だった場合、どうなるでしょうか。
今皆様が考えた通りのことができます。そうです、社内ネットワークに存在する機密性の高いデータ(機密情報)を安易に盗み出すことができるのです。
Huawei 外しの加速
上記の問題を受けて各国でHuawei 外しが加速しています。早速、各国の見解をみていきましょう。● ドイツ
ドイツは国家安全保障上の観点から、中国通信機器企業禁止の是非を議論していますが、禁止する法的根拠はないとしています。
ドイツの通信大手Telekom は12月、取引する主要ネットワーク機器業者4社についてグループ全体で見直しを行っていると明かしました。
もちろん、その中にHuawei も含まれますが、ドイツの他の通信企業は今のところ、中国企業との関係を維持しています。
● イギリス
「技術やサプライチェーンに関する問題より、通信ネットワークが新たなセキュリティーのリスクにさらされている」という内容の報告書を英国政府から受け、Huawei は安全への懸念に取り組む対策の一環として20億ドルを投じると約束しました。
この約束がされる前に開かれた、セキュリティーの欠陥を修正しなかったことに関するミーティングでは英当局の高官が途中で退席するという出来事がありました。
● フランス
フランス最大の通信会社Orange S.A. は、自社の5Gネットワーク構築にあたり、Huawei には頼らないとしています。
その理由に、フランス当局がセキュリティーに懸念を持っているとしています。
● ノルウェー
自国の5Gネットワーク構築から排除するかどうか検討しています。
国営の通信会社Telenor と競合のTeliaは現在Huawei の4G機器を使用しており、試験段階の5Gネットワークで同社製の機器をテストしています。
● チェコ
サイバーセキュリティ当局がセキュリティーのリスクがあるとして自国の通信会社にHuawei や中興通訊(ZTE)などの中国通信機器が製造したソフトウェアやハードウェアを使用しないようにと警告しています。
● 日本
日本政府は情報漏洩や機能停止の懸念があるとして、重要インフラを担う民間企業・団体に通信機器の調達をしないよう要請しました。
3大キャリアも5Gの基地局で中国製品を使わない方向で調整しています。
外しは必然の結果
各国の見解を見てもHuawei 外しはますます加速していくことが予想できます。
通信技術が発達すればするほど重要になるセキュリティーの問題を軽視し、全面的な問題意識を見せていないHuawei の将来は暗いでしょう。
悪い情報というものはガラスのひび割れのように、はじめは小さくてもどんどん広がってしまいます。
このままスパイ疑惑が晴れなければ厳しい結果となるでしょう。
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